2013年01月17日

阪神・淡路大震災から18年ということに関連して、@yonda4 4796689931[「復興増税」亡国論 (宝島社新書)]

死者6,434人を出した阪神・淡路大震災から本日で18年


最近では東日本大震災の方の記憶が強くて、こちらの方は風化した感もありますが、犠牲になられた方々には改めてお見舞い申し上げます
地震自体は予防することは不可能だとは思いますが、事前に被害を可能な限り小さくする対策は取れるわけで…

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という流れで、今日はこの阪神・淡路大震災の起こった日ということで、今回はこの本の紹介。
「復興増税」亡国論 (宝島社新書) [新書] / 田中秀臣(たなか・ひでとみ), 上念司(じょうねん・つかさ) (著); 宝島社 (刊) 「復興増税」亡国論 (宝島社新書)/田中秀臣・上念司(著)

この本には、ベースになっている本があって、掲題の本は、
震災恐慌! 経済無策で恐慌が来る!←この本の新書化版の位置づけ。
追加されたのは、巻末の高橋洋一氏インタビュー。

ともあれ、今の状況で増税するのは不景気を長引かせ、財政再建にとってもかえってマイナスとなることは理解できました。

本田中秀臣・上念 司『「復興増税」亡国論』(宝島社新書
現在、消費税増税が論議されておりますが、阪神・淡路大震災後の消費税増税に触れながら、 このままでは引き起こされる最悪のシナリオに、田中秀臣氏と上念司氏の二人が警鐘を鳴らします。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
関東大震災の後も、阪神・淡路大震災の後も、政府の無策で日本は大不況になった。欧州危機とのダブルパンチ。いま増税すれば、日本は恐慌になる。

【目次】
まえがき

序章
 最悪のシナリオ、震災恐慌を避けるために
 関東大震災、阪神・淡路大震災の経験
 恐慌はそしらぬ顔をしてやってくる
 日本に明るい未来が訪れることを願って

第1章 恐慌は、そしらぬ顔をしてやってくる
 僕たちの3・11
 「ナイトの不確実性」が示す現在
 今回の震災は景気後退、リーマンショックに続くトリプルショック
 過去の経験に学ぶ
 恐慌は、そしらぬ顔をしてやってくる
 …ほか

第2章 今、本当に起こっていること
 破壊を救えるのは経済政策のみ
 本当に無策な政府の復興計画
 デフレをつくり放置する日銀
 いまだにインフレを心配する日銀
 デフレなのに引き締める?
 …ほか

第3章 最悪のシナリオ
 考えられる最悪のシナリオ「増税+金融引き締め」
 増税で一番苦しむのは被災地
 増税すると逆に税収が減る
 これだけの震災でも何もしない日銀の体質
 マズい経済政策と日銀を批判できないマスコミ

第4章 資産市場はどうなるか
 衝撃はストック市場から実体経済へ
 政府も日銀も無策のままか!?
 株式市場はドーンと下がって、少し上げたが……
 原発事故の展開次第
 阪神・淡路大震災のとき、株価は6か月後に底が
 …ほか

第5章 震災恐慌を防げ!
 震災復興べからず集
 べからず集その1. 増税
 べからず集その2. 金融引き締め
 べからず集その3. 復興資金の逐次投入
 復興国債を発行し、日銀が直接買い入れろ!
 …ほか

新書特別付録 世界一やさしい“増税なしの”復興財源捻出方法
 そもそも日銀マンと財務省職員の関係について
 日銀による国債の直接引き受けの法律的根拠 
 30兆円の法律の枠内の国債直接引き受けで、通過の信認は毀損するか?

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
田中秀臣タナカヒデトミ
1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、上武大学ビジネス情報学部教授。社会資本整備審議会委員、デフレ脱却国民会議呼びかけ人。専門は経済思想史・日本経済論。『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社)で第47回日経・経済図書文化賞受賞

上念 司ジョウネンツカサ
1969年生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。日本長期信用銀行、臨界セミナーを経て独立。2007年より経済評論家・勝間和代と株式会社監査と分析を設立。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。勝間和代のブレーンの一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【2012.1.24第1刷発行・2012.12.10読了】


【備忘録】
第1章 恐慌は、そしらぬ顔をしてやってくる
・大地震と津波というのは天災だけれど、日本の歴史を見てみると、あとで傷口が大きくなるのは、人的要因が絡んだ結果のヒューマンエラーではないか
・(今回の東日本大震災は)僕たち日本人が予想していなかった非常事態がやってきたわけだから、その対応はドカンとやるべき
・誰も責任を取りたくなのは、政府も、官僚も、国民も同じかな
・昭和恐慌というのは1990年代前半のバブル崩壊以降の日本の状況に非常に似ている
・高橋是清がデフレを脱却させた後に、景気が過熱しだしたところで引き締め策として軍事費の削減を行おうとしたのが軍部の反発を買って暗殺された。その後、日本が過剰にインフレに突入したのは、後任の人がさらに財政を拡大してしまったから
・関東大震災と阪神・淡路大震災の経験から学ばなければいけないこと
1.日本経済が震災以前からすでに弱体化=デフレ化していた事実を見ること
2.復興政策は公債発行で資金を調達し、安易に規模を縮小せず、また中途半端に緊縮政策に移行すべきでないこと
3.復興の資金は小出しにするのではなく、震災により近い時期に一気に支出して早期の復興をはかること
4.日本銀行の引き締め政策が、デフレと円高を招き、危機を拡大させるということ

第2章 今、本当に起こっていること
・破壊を救えるのは経済政策のみ〜個々の企業がミクロでリストラしたところで、その業界内のシェアを奪うのみで、全体のパイの拡大にはつながらない
・構造改革というのは、政府の規制を撤廃して、「あとは民間の力だけでどうにかしなさい」ということ
・デフレというのは貨幣的な現象だから、日銀がどうにかしないと解消されない。デフレを放置したままでは、規制緩和や民営化の効果は限定的

第3章 最悪のシナリオ
・増税+金融引き締めが最悪のシナリオ
・日銀の歪んだ思想の源泉はやはり官僚の前例踏襲主義(平時の哲学が非常に強固)
・マスコミも政治家と同じで自分の意見の可否を判断する能力がない
・政策通とは日本では官僚の言うことをきちんと理解できる人

第4章 資産市場はどうなるか
・震災後に円高になったのは日本国内で円需要が高まったから「リバトリエーション」(本国への資金還流)が起きたという説で説明されているが、実際にそのような動きはほんの一部
(実際には、日銀が金融緩和をしないだろうという思惑から)

第5章 震災恐慌を防げ!
・震災復興べからず集:1.増税、2.金融引き締め、3.復興資金の逐次投入
・1997年の消費税率引き上げでは全体の税収はかえって減ったことを忘れてはならない
・「物価水準目標」を設定しておけば、日銀の直接国債引受があっても過度なインフレにはならない
・過去に高橋是清が国債の日銀直接引受をして円安政策を取った時は、日本は他国よりも早く不況を脱したし、悪性のインフレも起きなかった
・デフレから脱却しないと財政危機は解消されない。増税はデフレを長期化させるだけ
・ハイパーインフレが起きるのは、
@政府が財政規律を完全に無視するくらいの政治的混乱が起こっている、
A生産設備などの破壊が起こり、モノ不足が陥ることで、インフレギャップが生じている、
B中央銀行が政府に呼応して猛烈な通貨供給を行う。
こうした状況がそろったとき
(今の日本では起こりようがない)


【参考書評】
じゃが〜の亜空間飛行
ホンの本好きマンガ好き
Economics Lovers Live Z
凍死家のさけび
大阪の講師・文化人派遣業者がお薦めする納得の講師派遣
あほくさ日記
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【追記:阪神・淡路大震災追悼関連エントリー】
阪神淡路大震災…18年…風化しない様に…。(好きなものは好き!〜虎の部屋)
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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 05:46 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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