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(Ser.6097・2619日連続更新)
今さらながら、3月15日の朝日新聞に「巨人、6選手に契約金36億円 球界申し合わせ超過」
というニュースが出た件に関連して、その翌3月16日に出た清武氏の最新本
の方じゃなくて、巨人軍のGMを解任された後の昨年末に出版された「巨人軍改革戦記/新潮社 (刊)」の方を…
まず、はじめにこの本も当ブログで書評を書いている他の多くの本と同様、地元の図書館で借りて読んだということを先に言っておきます。
借りた本と言うことは、後から見返すことが困難なので、買った本ならマーカーペンでアンダーラインを引くと言う行為の代わりに、ブログの書評エントリーに【備忘録(+所感)】をいれるわけです。
また、現行URLになってからは、書評エントリーはあらかじめ下書きをしておいて、(出来るかぎり)当該書籍に関係するような案件が発生したタイミングで(その案件の概要を前振りにして)公開するようにしています。
なので、タイトルが異様に長くなったりするのはご愛嬌と言うことで…
で、この本自体は3月16日に図書館で借りてます。
朝日のリークがあったのが3月15日でこの日がちょうど確定申告期限。これらのお金にかかる不申告は時効になってしまったため、税務当局は動けないということまで計算済み?かどうかはさておき、清武氏サイドは情報をリークしたことは否定しているようですが…
話がそれましたが、本書は「週刊ベースボール」連載「野球は幸せか!」(2009.1.26号〜2011.10.24号)をもとに加筆、構成したもので、いわゆる「清武の乱」にかかる著者の言い分は「はじめに」のところに次のようなことが書いてあります。
1.「週刊ベースボール」連載「野球は幸せか!」のコラムは2007年4月から隔週で2011年10月末まで116回連載
(2007〜2008年連載分は「巨人軍は非情か」として単行本化されてます。→当ブログ2009.2.8付書評)
2.最終回で書いたコラムを終える理由は「選手の側にあまりにも寄り過ぎて書きづらくなっている」「コラムのマンネリ化を恐れた」の2つをあげた
3.実はその際に伏せておいた他の理由は「(ナベツネに)コラムをやめろ」と言われたこと
4.この本では、2009年以降のコラムの中から、組織論や若手育成理論について述べたものを中心に選んだ。そのコラムの中に逆鱗に触れたものがあったのかもしれない
5.私が巨人軍でやろうとしたことは、渡邉会長がオーナー時代に繰り広げた「商店経営」からの脱却。育成と補強のバランスを取ったチーム作り。
今般の騒動で管理人としてはナベツネと清武氏のどちらにくみするものではありませんが、言いたいことは「巨人だけが特別」だと思わないでくれということ。
確かに、これまでのプロ野球の発展に際し、読売巨人軍が中心となって果たしてきた功績は大だったとは思います。ただ、もうその時代は長嶋茂雄氏が「巨人軍は永久に不滅です」と言って引退した時点で終わったと管理人は思うのです。
読売巨人軍関係者には、蓮舫議員の例のセリフを言ってやりたいです。
特定の球団が強くなりすぎるより、どのチームにも優勝の可能性がある方が盛り上がるはず。
管理人はその立場です。
まとまりがなくなっちゃいましたが、この際普段から思っていてなかなかブログで書けなかった自分の立場の表明を…
清武英利・著/「巨人軍改革」戦記(新潮社)
叛乱の根源はここにあった! 何が読売の「ドン」を激怒させたのか?
解任された元球団代表が、職を賭してまで断行しようとした「巨人軍再生計画」。自前育成、三軍創設、そして金満補強からの脱却。それはかつて、「ドン」がオーナー時代に繰り広げた「商店経営」の、正面切っての否定だった……。何が彼を義憤に駆り立てたのか? すべてを失う覚悟で大組織を批判した著者が、その内幕を明かす。
【目次】
はじめに
I 選手こそが資産だ
「鬼」からの手紙
ブリキ錬金術
イワシとナマズ
ユニホームを汚すな
カマスの飢餓
日韓育成選手の熱量
負けに対処する二つの方法
新フューチャーズ
DEAR HUNTER
一日3勝
咲かせるときに咲かせておけ
つくる人
八年は稼げ
伊達センセイ
ロングシーズン
II 人を活かす野球を
木村拓也のゼロ時限
計量野球学を超えた本塁打
しびれる試合
10対1
叱咤する技術
スローガンは語る
人は最大の資産である
「サラかん」と名人
午前九時に見られるもの
オールスターの「罰ゲーム」
希望の言葉
「いもがらぼくと」の面談会
無理偏
投げてぇなあ
今すぐ始めなさい
言葉の拳で打て
III 「B群」を育てろ
なぜ、澤村なのか
売れる商品を作れ
気付かせ屋
老練のピリオダイゼーション
凡人は競争で強くなる
土の匂い
練習は人のためならず
個人の時代の終焉
サブローのホッピング
あきらめない
誰のための挑戦試合か
見られて美しくなる
坂の上の雲
可能性の油田
ジャメヴュの世界へ
【著者】
清武英利(キヨタケ・ヒデトシ)
1950年、宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、読売新聞社に入社。中部本社(現・中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長などを経て、2004年8月より読売巨人軍取締役球団代表兼編成本部長。2011年6月からは専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を務めた。同年11月、解任。
(2011.12.20発行/2012.3.19読了)
【備忘録】
・川上哲治氏は意外と柔軟な考えを持っている
・球界に例えるとイワシは生え抜き選手。ナマズはFA選手や外国人(緊張をなくし、怠けると死んでしまう/新しい血を入れて既成概念を打破)
・人間の脳と言うのは欲望論理で出来ている
・花は咲かせられるときに咲かせておけ⇒絶頂期に多少無理した選手起用志向(ノムさん)、大事に使う(原監督)
・組織は情のない歯車では動かない
・一軍でも8年は頑張らないと元は取れない
・プロ野球選手になった瞬間から、引退後のことを考え始めなければならない
・投げだす前に、自分自身を知って可能性を探るのも必要ではないかと(故木村拓也氏:2010.3プロ野球新人研修)
・セイバーメトレックスの枠にはまらない巨人の選手:谷と坂本(四球が極端に少ない)
・ほめて育てろは小出監督や仰木監督のような名将だからできること。凡人にはなかなかできない
・当たり前のことが難しいのが球界
・人気は基本ツール(走力・守備力・肩・打撃力・長打力)のらち外
・冷静/辛抱/対話=万国共通
・仰木さんの携帯も、木村拓也の携帯も奥さんが(その番号を)引き継いでいる