2012年03月20日

.@yonda4 4023309826[訣別―大前研一の新・国家戦略論]

本題に入る前に、読売対朝日の争い産経さんも巻き込まれた?
この件に関しては、清武氏の最新本ではなく、氏が巨人をクビになったすぐ後に出版された新潮社の本の方の書評エントリー(近日中にUP?)からみで管理人自身の見解も含め述べていきたいと思いますが、今は「他の球団に迷惑をかけない範囲内で勝手にやってろ」というスタンスにしますので、日ハムの栗山監督が斎藤佑樹を開幕投手に決め、公式発表した件球団公式】も含めてこちらをご覧いただくとして、
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今回は、この際そういう球界の古い体質と「訣別」したらとも思うことつながりで、「訣別 大前研一の新・国家戦略論」。
訣別 大前研一の新・国家戦略論
今まで(20年以上?)大前研一氏の本はかなり読んでいますし、その主張するところはよく理解できるし、いい提案をしているんですが、なんで実現できないんだろう。

ということについて、大前氏自身はどう思っているのか?

「バカな政府」だからしょうがない?

ともあれ、この本で一番言いたいのは、

答えのない時代を生き抜くには、自ら答えを見つけ出す想像力や構想力、それを強力に推し進める実行力が極めて重要になる


ということで…

本大前研一訣別 大前研一の新・国家戦略論」(朝日新聞出版
バカな政府を持つと高くつく。過去の延長線でしか考えない官僚と、政局しか頭にない政治家に任せておけば、日本は間違いなく衰退する。しかし、バカな政府をつくったのは国民であり、結局のところ自分たちで変えていくしかない。過去に成功した「ニッポン・モデル」はすっかり陳腐化した。いまこそゼロベースの大改革を断行し、新しい日本をつくるときだ。ベストセラー『平成維新』以来の本格的な国家戦略論!
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
バカな政府を持つと高くつく。過去の延長線でしか考えない官僚と、政局しか頭にない政治家に任せておけば、日本は間違いなく衰退する。しかし、バカな政府をつくったのは国民であり、結局のところ自分たちで変えていくしかない。過去に成功した「ニッポン・モデル」はすっかり陳腐化し、硬直化した。いまこそゼロベースの大改革を断行し、新しい日本をつくるときだ。ベストセラー『平成維新』以来の本格的な国家戦略論。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 迷走する日本
第2章 混迷の原因はどこにあるかー官僚、政治家、国民それぞれの罪
第3章 このままいけば日本は衰退するー国家債務危機の真相
第4章 三つの訣別ー陳腐化し、硬直化した「ニッポン」から抜け出すために
第5章 まず、小さな勝利を積み重ねる
第6章 そして、ゼロベースの大改革を断行せよー日本の二〇二五年ビジョン

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
大前研一(オオマエケンイチ)
1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年に退社。以後も世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして幅広く活躍するとともに、「ボーダレス経済学」と「地域国家論」の提唱者としてグローバルな視点と大胆な発想で活発な提言を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


【備忘録】
第1章 迷走する日本
・バカな政府を持つと高くつく
〜政府は安全性とコストという相矛盾する二つの要素を勘案して、国民・消費者負担が最少になり、かつ国民の安全性を重視した選択をしていかなくてはならない
(例)「生産者が善意を持って我々の言いつけを守っている限り、市場に危ないものは出回りません。ただし、念のため、この1年は同じものを食べ続けたり、洗わずに食べ続けたりするのはやめて下さい」と言えばそれで十分
〜計画停電の方が個人消費に与えるマイナスの影響は大きかった
〜枝野官房長官(当時)は、ウソを言う人ではなさそうだが、(本人は気づかず)ウソを言わされていたのかもしれない
・バカな政府は国民が作った
〜1回の選挙で首相が変わるのは1回限り。2回目以降は解散して国民に信を問うべき
・ひとのふり見てわがふり直せ
〜「こういうことをやると相手はどういう思いをするだろうか」と人をおもんぱかる気持ちは国内のみ。海外に対しては不得手
・自分たちで変えていくしかない
〜外圧を受けて日本は変わる?

第2章 混迷の原因はどこにあるかー官僚、政治家、国民それぞれの罪
・過去の延長線上でしか見ない官僚
〜バブル崩壊の頃までは国家運営の道筋をつけていたが、組織の肥大化・専門化で全体像が描けなくなった
〜日本でスギ花粉が増大したのも、戦後の植林政策の失敗から(終戦直後育ちの早い杉を植林したものの、その後輸入木材に押されて放置されたから。さっさと伐採して、元の雑木林に戻せばいいだけのこと。)
・政局しか頭にない政治家
〜政治家が欲しいのは(国民受けする)標語だけ
〜メトロポリタン銀行の構想を石原都知事に提案したときにくれぐれも都が自ら経営してはいけないと言ったのに(役人や政治家に銀行の経営が出来るわけはない)
・「一億総評論家」の時代
〜ここ数年の日本人には考えない人間が増えている
(納豆がダイエットにいいといわれれば、すぐにスーパーからなくなるし(^_^;)
〜テレビはクイズとお笑いしかやらないで、視聴者にものを考えることを放棄させてしまっているようだし
〜すべての元凶は偏差値教育にあり(偏差値が高い人が間違えるわけはないは幻想に過ぎない)
〜勝ち組になるための法則はシンプル(自分のやりたいことを見つけ、どうしたらできるかを考え、そのためにひたすら努力するしかない)
〜答えのない時代に必要なのは「考える力」
(京大カンニング事件〜携帯電話で問い合わせて簡単に答えが返ってくるような安易な問題を出して選別する入試の方が旧世紀の遺物)
>管理人もそう思う。
・大前が学長をしているビジネス・ブレークスルー大学では
@構想力を問う問題(右脳的イマジネーションの世界)
A論理的思考力を問う問題(左脳的理詰め世界)
B実行力・自己管理能力を問う問題(リーダーシップや行動力の世界)
の3つの領域から問題を出題。正解はないのでカンニングのしようがない
・ネット社会は、誰もが参加を意見を述べたり、議論を交わしたりすることで互いを高めて発展していく。それが蓄積されていけば集合知はどんどん磨かれる可能性もある

第3章 このままいけば日本は衰退するー国家債務危機の真相
・ここ20年間を見ても、成熟国(米・独・仏・日)で家計所得がマイナスになっているのは日本のみ
・日本が元気を失っている原因
@極端な少子高齢化に見舞われていること
A極めて中央集権的な統治機構のせい
・成長期の「提供者」の論理が支配的な上で、消費者の側も未だに新品を尊ぶ
・日本人は貯蓄好きも今は昔
・子供に投資するより、自分とパートナーの稼ぐ力をUPするための投資をした方がいい
・やりたいことが20個あるか?
・覇気をなくした若者たち
・単身世帯が増大
・成長政策には(優良)移民が欠かせない

第4章 三つの訣別ー陳腐化し、硬直化した「ニッポン」から抜け出すために
・江戸時代からの訣別
〜人は住みなれた土地、先祖代々受け継いできた土地への愛着が強いが、被災を教訓に新しい時代の町づくりもモデルケースになるような復興を目指すべき
〜地方自治体の霞が関への陳情は、江戸時代の参勤交代みたいなもの(自分たちでなんとかしていくべき)
〜利権まみれの水利権は廃して、水道事業を集約、広域化すべし。

・明治時代からの訣別
〜都道府県には定義も根拠もない
〜戸籍制度は実体とかい離している(自分の住所や出生地と関係なく好きなところに本籍を置けるし)

・戦後体制からの訣別
〜日本人の手先が器用だったのは農村から集団就職して都会に人が集まった時代の話。今では中国人やベトナム人の方が忍耐強い
〜地方を疲弊させたバラマキ公共事業

・日本が立ち直るための突破口
〜世界を飛び回っているホームレスマネー(有効な投資先を求めてさまよっている資金)をうまく利用すること

第5章 まず、小さな勝利を積み重ねる
・急激な変革は抵抗勢力につぶされる
・中国は例外的な特区を作って小さな成功(勝利)を積み重ねていった
・ロシアは一気に自由化したから混乱した
・権限委譲は「変人特区」で(橋本氏の大阪都構想とか、大村愛知県知事と河村名古屋市長の連携とか)
〜関西は大阪・京都・兵庫でひとつにまとまった方がいい
・「例外の先行」が進歩を生む(韓国のインチョン経済自由区域、済州島特別自治道とか)
・中国は(ガソリンステーションとかの既存インフラに乏しい分)電気自動車の普及では世界をリードできるはず
〜トヨタもVWもホンダも内燃機関で発展してきたメーカーゆえ、電気自動車には及び腰
・目標達成のための努力を惜しまず、達成したら次の目標をすぐに設定してそこに向かう〜Progress by Example
・休眠口座の資金を「大きな社会」の建設のための元手に
>それで、唐突にこんな話が出て来たのか…
>もっとも、みんす(だけでなく政治家・官僚)は大前さんの本質的な狙いはわからなくて、手段だけ取り入れているにすぎないんですが…

・財政再建のための国民の社会貢献奨励策
@ボランティア教員
A遺産の寄付
B空家の寄付
C土地を寄付
D介護施設を手伝う(高校の教科とするなど)
E公的システムのPFI(ペーパーレス)化(選挙、戸籍、住民票、免許など)
F自警団
Gゴミ焼却のローカル化
H区役所、市役所などのヘルプボランティア
I貢献度ポイント制度(税制優遇など)

第6章 そして、ゼロベースの大改革を断行せよー日本の二〇二五年ビジョン
・国民データベースを構築
・プライバシーを保護する「第4の機関」
・18歳成人化と高校教育義務化
〜義務教育は「人間の尊厳を失わない最低限の生活ができる」能力を国民に身につけさせる準備教育であるべき
〜大学教育は「より稼ぐための能力」を身につける場所と割り切るべき
〜世界のどこでも稼げる力
@英語、Aファイナンス、BIT(それを駆使した論理的思考、問題解決法まで)+リーダーシップ
・道州制で世界の富を呼び込む
・所得税と法人税は税率を下げた方が税収は増える〜資産税と付加価値税でもカバーできる
・人を受け入れるという行為は、ODAのような経済的、金銭的な援助よりはるかに国と国との結びつきを強くする
(オーストラリアは白豪主義をやめ、アジアのメンバーとしての存在感を高めている)

エピローグ
・安定的な成長を続けている小国、中位国には真摯に学び、新興国に対しては資金と人材と技術と日本の経験を惜しみなく投じて、タイムリーかつ継続的な開発援助をしながら、あらゆる国々と互恵的な関係を築いて行く。日本が目指すべきはそうした多極外交

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タグ:大前研一
posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 06:15 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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