2011年08月16日

【訃報】正力 亨氏(読売新聞グループ本社社主・巨人軍名誉オーナー)と終戦の日の件を前振りに、@yonda4 4828416226[日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー] 小室直樹

本題に入る前に、まずはプロ野球巨人軍の名誉オーナーで読売新聞グループ本社社主、正力 亨氏の訃報に慎んでお悔やみ申し上げます

詳しいことは、管理人の巡回先の巨人ファン系ブログの敗戦処理。さんGiants-55さんおよびヤクルトファンのノンフィクション・ライター長谷川晶一さんの追悼記事やこちらをご覧いただくとして、
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奇しくも昨日は終戦の日。この日に亡くなるなんて…

それはさておき、「終戦の日」にからめて今一度この戦争の意義を考える上で参考となる「日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー・小室 直樹 (著)」の紹介を
日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー [単行本] / 小室 直樹 (著); ビジネス社 (刊)
この本が刊行されたのは2011年1月。実は、小室先生は2010年9月には亡くなっているんですが、この本のコンテンツ自体は、1994年に刊行された田中角栄の遺言―官僚栄えて国滅ぶ [単行本] / 小室 直樹 (著); クレスト社 (刊)
田中角栄の遺言―官僚栄えて国滅ぶ [単行本] / 小室 直樹 (著); ザ・マサダ (刊)
の復刻本。

こちらの方も、読んだことはあります。

で、16年ぶりに読み直しても古びた感じがしない。

時代の方は、まだまだ小室先生に追いついていない。

そんなことを感じましたね。

ということで、今の政治家各位はこの本を読んでください。

本小室直樹「日本いまだ近代国家に非ず 国民のための法と政治と民主主義」(ビジネス社)
【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ 誤解だらけのデモクラシー理解
第1章 大いなる資質を具えた政治家とは-田中角栄だけが、唯一のデモクラシー政治家である理由
第2章 官僚は、どう操縦するのか-角栄は、彼らを「生きたコンピュータ」と評した
第3章 果たして金権政治は“悪”か-デモクラシーは膨大なコストをかけて購うもの
第4章 政治家の「徳」とは何か-「運命を下僕にする力」こそ為政者の要件
第5章 デモクラシーとは何か-果たして「国民主権」が守られているのか
第6章 暗黒裁判だったロッキード角栄裁判-江戸時代のままの日本人の法意識こそ問題

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
小室直樹(コムロナオキ)
政治学者、経済学者。昭和7(1932)年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了。東京大学法学博士。この間、フルブライト留学生としてアメリカに留学し、ミシガン大学大学院でスーツ博士に計量経済学を学ぶ。マサチューセッツ工科大学大学院でサムエルソン博士からPh.D Economicsを授与さる。平成22(2010年)9月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(2011.1刊行、2011.7.20読了)


【備忘録】
プロローグ 誤解だらけのデモクラシー理解
・デモクラシーには膨大なカネがかかる
(デモクラシーはめったにない状態/非常にか弱い)
・日本人には汚職をデモクラシーのコストと考えるセンスがなかった
・角栄が殺されたことによって、日本の三権はすべて役人の独占に
・言論の自由こそデモクラシー、立憲政治の要諦
・役人は与えられた状況の下において、与えられた法の下においてしか行動出来ない
・デモクラシー裁判の最大の目的は、国会という巨大な絶対権力から国民の権利を守ることにあり、(刑事)裁判とは検事に対する裁判である

第1章 大いなる資質を具えた政治家とは〜田中角栄だけが、唯一のデモクラシー政治家である理由
・近代国家においては、軍隊が政府の命令をてんで聞かないなどということは想像を絶すること
・戦争となれば、事前の主義主張がどうであれ、勝敗という結末をめざして遂行されるのが実体
・立憲政治においては、選挙公約は守らなけらばならない。対立政党の政策を勝手に盗んではいけない。議会における論争によって国策や政権党が決まる
政治における最大道徳とは、「国民の経済生活を保障すること」
・角栄の後継者たちが、カネで数を獲得する方法だけを継承して、「率直で力を込めた討論」「自由討議」によって人を動かす方法を継承しなかったことは、はなはだ片手落ちだ。

第2章 官僚は、どう操縦するのか-角栄は、彼らを「生きたコンピュータ」と評した
・政治家の目的は、官僚を駆使してよりよい政治を行うこと
・戦争で失った領土は、戦争で取り返すのが世界史の常識。平和裏に領土(沖縄)を回復するとは歴史的功績
・役人のメンタイリティ
@既存の法律の下で動く。新たな意思決定は出来ない
A減点主義だから、責任は取りたくない
B入省年次が序列。人事に口出しは無用
C薄給で、天下らなければ割に合わない
D権限拡大のためなら一所懸命

第3章 果たして金権政治は“悪”か〜デモクラシーは膨大なコストをかけて購うもの
・わいろは取引(買収)ではなく、一種の忠義宣誓
・わいろそのものが目的ではなく、特定の人間関係を樹立することが目的
・日本では誰かを訪問するときに「手ぶら」で行くことはまずない

第4章 政治家の「徳」とは何か〜「運命を下僕にする力」こそ為政者の要件
・役人は与えられた状況下で権限を着実に行使するだけ。予知能力は必要とされない
・運命を下僕にできるのが「政治家」
・政治家は方針を決める。役人はその方針通りに行動して政策を実現する

第5章 デモクラシーとは何か-果たして「国民主権」が守られているのか
・デモクラシーの反対はシオクラシー(神聖政治)
・自由主義とは、政治の権力から国民の権利を守ること
・議会主義デモクラシーが機能するための最大の条件
(1)国民の代表によって議会が形成されること
(2)議会における討論によって国策が決定されること
(3)国会が立法の機能を失っていないこと
・日本国憲法は既に改正されたようなもの(役人が三権を独占)
・日本では逮捕されたことが、実質的には一審で有罪判決を受けたようなもの

第6章 暗黒裁判だったロッキード角栄裁判〜江戸時代のままの日本人の法意識こそ問題
・検事が外国人と組んだら無罪の人が有罪に(その外国人には「刑事免責」)
・デモクラシー諸国においては、反対尋問なき裁判などありえない
⇒それがない角栄裁判は暗黒裁判
・裁判がはじまれば予断があってはいけないと、おとなしくなるのがデモクラシー諸国の常。日本は逆。
・ロッキード事件に限っては証拠が日本国内にない
・行政権力から人民を守るのが司法権力
・証拠が完全に合法的な手続きで出されたものであるか
復讐法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [文庫] / ヘンリー・デンカー (著); 中野圭二 (...
復讐法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [文庫] / ヘンリー・デンカー (著); 中野圭二 (翻訳); 早川書房 (刊)
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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 05:28 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(2) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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