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今回は試合のない日用の書評エントリーで、2010.8.8読了のUPのタイミングを見計らって公開待ちにしてあったこの本の紹介を

小宮一慶の「深掘り」政経塾 ― 世の中がまるごとよくわかる、モノの見方、考え方
- 作者: 小宮 一慶
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2009/12/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
この本の肝は「今、目の前にあることを表面的にだけ見て、ものの良し悪しの判断をすることは非常に危険です」をいう前提に立って、新聞に書いてあることの「もう一歩」先を読み、評論家が言っていることを「もう一段」深く理解する必要がある。そのための「深堀りポイント」は3つ。
1.疑う
〜ほんとうかな?と疑ってみる
2.分けて考える
〜ものごとを分解して考える。両面を見る。多面的に見る。すなわち「二分法」だけで考えない
3.つなげて考える
〜「時間軸」と「広がり」
ということを柱にして、2009年12月上梓時点(正確には少し前)での様々な問題について解説しています。
非常にわかりやすく書かれているとは思いますが、この本の内容についても100%鵜呑みにしないで自分の視点で考えてみることが大事ですね…
小宮一慶の「深堀り」政経塾(プレジデント社)
景気、雇用、選挙、環境……社会の「本当」が見えてくる!
政権党が変わって以来、活発な政策論争が繰り広げられています。
政治経済の話題を「疑う」「分ける」「つなげる」、という3つの「深掘りポイント」でわかりやすく解説。
時事問題の知識と仮説力が同時に身につく一冊です。
<目 次>
はじめに
新聞をただ読むだけでは仮説力、論理的思考力は身につかない
Part 1 経済問題を深掘りする
1.日本人は金融リテラシーが高いから「投資より貯金」する
2.JALの行く末は、ダイエーのきた道を見よ
3.なぜ規制緩和も規制強化もタクシー業界を救えないのか
4.最低賃金を上げると百貨店の客がもっと減る
5.REIT救済は「不動産市場安定化のため」という茶番
6.焼け太り監査法人栄えて国滅ぶ
7.景気が回復すると日本は大ダメージを受ける
Part 2 政治問題を深掘りする
8.高速道路を無料にすると道州制が加速する
9.一票の格差を是正するより、票数の格差をつけよ
10.私が首相公選制を推す理由
11.税金は、消費税に統一すれば不公平感がなくなる
12.「かんぽの宿」はやっぱり一括売却しておくべきだった
13.なぜ医療の「業界内格差」は放置されるのか
Part 3 教育、安全保障を深掘りする
14.日本の食料自給率はぜんぜん低くない
15.大学進学率50%の時代に大学を半減させるという考え方
16.「憲法九条を維持しながら仮想敵国を爆撃すること」はできるか
17.太陽電池が普及すると戦争が起こりやすくなる
18.この期におよんで「移民法」がない日本の行く末
結びにかえて
外国の友人に日本のどこをみせたいですか?
<著者>
小宮一慶(Kazuyoshi Komiya)
経営コンサルタント。1957年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。86年、アメリカのダートマス大学エイモスタック経営大学院にてMBA取得。帰国後、経営戦略情報システム、M&A業務に携わったのち、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス(現セントケア)を経て、96年、小宮コンサルタンツを設立。2005年4月〜 2009年3月、明治大学大学院会計専門職研究科特任教授。
『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』(東洋経済新報社)、『お金を知る技術 殖やす技術』(朝日新聞出版)、『「超具体化」コミュニケーション実践講座』(プレジデント社)、『日経新聞の数字がわかる本』(日経BP社)など著書多数。
【備忘録的メモ】
・投信は、一義的には投信会社が投資家の手数料で儲けるための商品
・「守るお金」→デフレの時期は貯蓄が一番
〜優良企業もそういしている(TOYOTA、花王)
・「攻めるお金」→個別株の長期投資
→管理人も証券会社扱いのものに関しては、個別株が一番パフォーマンスがいいし(含み益)、投信は全部含み損や…
・羽田空港に集中投資すべき(平等主義ではなく資源の最適配分が肝要)
・タクシーの規制緩和の失敗
→時間軸の無視、価格弾力性が高い(値上げしたら乗らなくなる)
・経営の舵取りも、国の舵取りも、限られたヒト・モノ・カネをどう配分するかを考えること
・国全体が適正に稼げるようになったら、ほとんどの問題は解決する
・投資やビジネスの原則は自己責任
→バクチ打ち(RIET)の借金を国が肩代わりする必要があるのか?
・監査法人は焼け太り
→監査法人の不正もJ−SOX強化の一因なのに、監査法人が寡占化して仕事が増え規模も拡大とは…
→自分のところの内部も監査できない監査法人が、他社の監査をするなんて噴飯物
・企業のために会計が存在するのであって、会計のために企業が存在するわけではない(上場会社が減っているのはデメリットの方が大きいから)
・景気が回復すると海外企業の日本企業の買収が進む恐れもある
→それを防止し、経営の自由度を確保するための戦略的合併へ(パナソニックとSANYOなど)
・高速道路千円は誰のための政策か?
→環境問題の観点からは自家用車ではなく鉄道利用を促進すべき
・納税に対するインセンティブがない
→企業にも納税額に応じた投票権があってもいい
→個人の納税額で票数をかえてもいい
・道州制の成否は、どこまで税源を移譲するかにかかっている
・政治家の世襲はかまわないが、少なくとも違う選挙区から出るべき
・議院内閣制の方が独裁者を生みやすい(議員の権限が強くなりすぎる)
→国会は株主総会、首相は社長であるべき
→ただし、首相は公選すべき
・税金は消費税に統一すれば不公平感がなくなる
(捕捉が確実、税制はシンプルな方がいい)
・サラリーマンも確定申告すれば、納税者意識が育つ
>管理人も源泉徴収の方が、消費税より卑怯だと思うし…
・かんぽの宿の売却の件は、事業の譲渡か?不動産の譲渡か?
〜事業の譲渡としてなら将来のキャッシュフローから価値を計算するので、安すぎたわけでもない
・日本の医療制度が破たんしているというより、診療所は儲かり、大病院が破綻している
〜開業医には日本医師会と言う圧力団体がある
・政策を考える人が現場の全体像がわからないまま、安易に物事を決めてしまうと現場の大混乱を巻き起こす。
>ここ数年の管理人の仕事はこのからみばかり也
・食料自給率を何でとらえるか?
→石油が輸入できなくなったら何も作れなかったりするわけで
・大学は減らした方がいい。
→勉強が嫌いな人には早めに別の道を用意してあげるべき
・ストックに依存した内需拡大は早晩失速する
→介護や医療ビジネスでの内需拡大には限界がある
・自衛力を強化するしか、拉致問題も核問題も解決する道はない
・太陽電池の普及も資源国にはかえってマイナス。かえって戦争がおこりやすくなるのでは?
・日本も良質の移民なら受け入れるべき
〜日本に貢献してくれる人を選別して受け入れるべき
(日本人とよく似た能力を持つ人たち、日本人が苦手な力を持っている人たち、介護や看護など定型化した仕事をこなしてくれる人材)
・外国人におすすめする場所は「広島」
(宮島、原爆ドーム、大和ミュージアムの3点セット)

【参考書評】
・成功するキャリアアップ術
・精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本
・もけもけしんぶん



