2010年09月15日

【読み比べ】上杉 隆「政権交代の内幕 民主党は日本をどう変えるのか」&中西輝政「日本の悲劇 怨念の政治家・小沢一郎論」

昨日の民主党総裁選の結果を受けて、関連本の紹介を。

タイトルからおわかりのように、前者は民主党に好意的、後者は否定的です。

まずは上杉さんの本
政権交代の内幕 (Voice select)

政権交代の内幕 (Voice select)

  • 作者: 上杉 隆
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/09/19
  • メディア: 新書


結局、民主党が政権を取って日本が変わったのは確かだけど、悪い方に変わったということで(泣)
というような皮肉言いたくなるよな。この本の逆フラグぶりに…

もっとも、上杉さんの立場と刊行されたのが昨年の衆院選直後ということを鑑みれば、民主党に期待しちゃうのも仕方のないところですか…

実際自分もそうだったしね。

でも、この中で「官僚を味方につけることが肝」というのは当たっていたかも…

もっとも、官僚のいいなりになれということではありませんので、菅さんそこのところをはき違えないように(皮肉)

そして、中西さんの本
日本の悲劇 (Voice select)

日本の悲劇 (Voice select)

  • 作者: 中西 輝政
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/04/16
  • メディア: 新書


上梓の時期が前者より後で、実際に民主党政権になってからの様々なgdgdぶりを反映しているので、民主党に否定的になるのはむべなるかなという気もしますが、小沢一郎氏の本質を良くとらえてますね。

本上杉 隆「政権交代の内幕 民主党は日本をどう変えるのか」(PHP)
誰よりも民主党を知る政治ジャーナリストが明かす「民主党維新」の本質。自民党を下野させた民主党が戦う相手は、霞が関のなかにいる!

2009年8月30日の衆議院選挙は、日本政治史に一線を画する結果となった。長年にわたり磐石の地盤を築いてきた自民党は、なぜ今回、惨めきわまりない敗北を喫することになったのか。また、115議席から308議席に飛躍した民主党への「国民の期待」は、はたして実を結ぶのか。「寄り合い所帯」「マニフェストに現実味がない」というメディアの批判は正しいのか。著者はこれらの疑問に答えを出すべく、フリーランス・ジャーナリストの立場から鳩山由紀夫氏、小沢一郎氏をはじめ、民主党首脳の動向に肉薄。総選挙の現場を探るため全国を踏破し、「政権交代」の舞台裏をえぐり出す。さらに、選挙時に民主党が訴えた「脱・官僚主導の政治」が実現すれば、日本という国家の姿は、いままでとはまったく異なるものになる。自民党の崩壊とともに、政・官・財の癒着のトライアングルもまた「ぶっ壊れる」のか。興味がつきない新政権の内実に、深く切り込んだ一冊。

目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 ドキュメント総選挙─そして自民党は崩壊した
(「お仕置き」程度では済まなかった/自民党への「嫌悪感」 ほか)
第2章 官僚内閣制の罪と罰
(腐敗した鉄のトライアングル/田中派は「陳情の総合病院」 ほか)
第3章 民主党は霞が関に勝てるか
(的外れだった「ねじれ国会」論/政権担当能力の試金石となった小沢氏の秘書逮捕 ほか)
第4章 宰相・鳩山由紀夫論
(鳩山執行部は政権奪取後を見据えた戦略だった/「菊をつくった」鳩山代表 ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
上杉 隆(ウエスギタカシ)
1968年、福岡県生まれ。都留文科大学卒業。NHK報道局勤務、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
<2010.7.25読了>

<備忘録的メモ>
・「官僚政治からの脱却」を実現できるかどうかで政権の行方が決まる
・昨年の衆院選の民主大勝の最大の要因⇒自民党への「嫌悪感」
>自分もね
・平野貞夫氏「小沢さんはロマンチスト」
・戸別訪問と辻立ちが小沢流(田中流)の選挙手法
・小泉純一郎は官僚を味方につけていた。
・安倍晋三になって、官房副長官人事で官僚を敵に回すようなことをしてから1年しかもたなくなった。麻生太郎も同じ
・小選挙区制で大政党に属していないと不利になったというのは幻想。個別の小選挙区で無所属の人でも個人のちからで結構健闘できる
(2005年総選挙の片山さつき、小池百合子の例はマレ。佐藤ゆかりのように比例で救われた例がほとんど)
・東国原知事の「総裁候補にするなら自民党から出てもいいよ」は自民党がなめられていた象徴
・民主党政権により長く日本社会を支配してきた「政官財のトライアングル」と官僚が政治家に代わって行政を差配する「官僚内閣制」が終わるだろう
・もはや時代遅れとなった官僚の発想
・官房副長官(官僚側)の人事で官僚を敵に回してはいけない
(官僚側でこの人なら納得するという人事で)
・小泉純一郎は反旧田中派(旧田中派の利権をつぶす)で一貫していた。
・民主党の官僚出身議員は、ある程度脂の乗っている若いうちに官僚を辞めた人やこれからキャリアを積む官僚と同期だった議員が多い分期待できる。
(自民党は元官僚でもキャリアを上がり切った人やラインから外れた人が多い)
〜官僚の世界を知った上で変革する意思を持つ人はこれからの政界に必要
・国際関係面では、小沢氏が比較的国連志向であるのに対し、鳩山氏がよりアジア中心の方向
・私心のある人間は守らなければならないものが多いから必ずつけこまれる
(鳩山氏は私信のない人)
・民主党のすべきことは、自民党と協力し、弱った日本を立て直すこと
>とまあ、上杉さんの期待はことごとく打ち破られましたとさ…
>めでたくなし、めでたくなし(ToT)

【参考書評】
書評ブログ・本読みエブリデイ!
泉獺のどうでも映画批評


本中西輝政「日本の悲劇 怨念の政治家・小沢一郎論」(PHP)
<内容>
2010年夏の参議院選挙は「日本改造」の総仕上げなのか? 保守論客の雄が鳩山政権を裏で動かす「壊し屋」を斬る。

<解説>
与党・民主党に期待した日本人の望みはいま、「日米同盟の崩壊危機」を招いた米軍普天間基地の移設問題や、鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏の政治資金をめぐる違法行為、バラまき財政による国の借金増大というかたちで、無残に打ち砕かれつつある。古い自民党政治からの脱却を訴え、政権交代をした民主党が、なぜ昔の自民党と寸分違わない「醜い政治」を国民の目に見せつけているのか。民主党を牛耳る小沢一郎氏の「手段を選ばない政治」が抱える矛盾は、いまや極限にまで達している。日本政治はいつから、こんなことになってしまったのか。本書は、1998年から今日まで、著者が小沢一郎という政治家を「真の主役」として回りつづけた日本政治の「悲劇」を分析した入魂の一冊。自民党にも民主党にもまったく期待ができないなか、われわれは政治に何を求めたらよいのか。ついに視界に入りはじめた政界再編とともに、浮上する「保守政治」の精神と新たなる戦略を描く。

目次
1 裏切られた政権交代(小沢一郎の大罪/日米同盟空洞化がもたらす日本の衰亡/一人芝居の鳩山「反米」政権)
2 小沢一郎と田中角栄「怨念の政治」の系譜(小沢一郎の悲劇/崩落した二大政党)
3 日本政治を「改革」から救え(甦れ保守政治)

<著者情報>
中西輝政(ナカニシテルマサ)
京都大学大学院教授。1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て現職。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。2002年、正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
<2010.8.3読了>

【備忘録的メモ】
・平成日本の政治改革は、壮大な「悲劇」に終わりそうである
・「政治とカネ」の問題より、かっての自民党と変わらない「利益誘導」と「構造腐敗」の政治が、民主党政権でも大手を振ってまかり通っている
・「正三角形」戦略(米国とも中国とも等方位外交)は決して日本の自立につながらない
〜まずは自主憲法(正規の日本軍を持てるようにすること)か
〜対米対等は、対中従属と同意味
・国家の根幹は「安全保障」
・平成の改革は、単なる破壊
・小沢一郎は改革よりも政局にしか興味がない
・日本では二大政党制は必ず頻繁な政権交代につながる〜抜け駆け、禁じ手、なんでもありの政権奪取手段
〜日本人が国家感を失ってしまったのが混迷の原因
・米国は民主党政権にコケにされたと感じている
・政党は「年金」を政争上のテーマにしてはならない
・小沢氏と田中真紀子氏は対米観・安保観・国家観は非常に似ている
〜反米、「日本は本質的に危ない国・信用できない」
・日本の政治の「三つの大きな対立軸」
1.小泉構造改革への是非
2.改憲か護憲か
3.アジアかアメリカか
・小沢一郎「日本改造計画」と実際の政策(旧社会党的)との矛盾
・民主党政権は過去の悪い例(隈板内閣・片山内閣・細川内閣)をなぞろうとしている
・自民党も堕落している
〜保守は理想ではなく、その時々をうまく運営することと、国家を背負うことの大義、この二つを大きな責務としている
・「正しい政治」と「うまい政治」
・今こそ「大義の旗」が立てられるべき
・抗議票が政治を混乱させる

さて、今回の民主党総裁選の結果はこれで良かったのかどうか?

菅さんのお手並み拝見

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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 07:37 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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