


ここ最近当ブログのエントリーのメインになっている書評シリーズですが、ストックがあと3件となりました。今回はこのニュースがらみで…
タイトルの割には小沢一郎のことは最初だけなんですけど…
もっとも、『佐高信の政経外科』としてコラムをまとめたもので、今回XIIとして刊行するにあたって、小沢一郎を前面に持ってきた方が得策だと思ったんでしょうね…
小沢一郎について書いてある部分は、
佐高氏(小泉・小沢と慶大同期卒)が小沢一郎について懸念すべき点
1.憲法を改変して集団的自衛権を認めようとしているところ
2.小選挙区制の推進
3.京セラ名誉会長の稲盛和夫に傾倒している点
好きだし評価できる:田中秀征
好きだけども評価できない:福島みずほ
嫌いだけれども無視できない:小沢一郎
嫌いだし評価できない:小泉純一郎、安倍晋三
小沢一郎と対談
・アメリカ人は小泉さんのように臆病で損得勘定ばかりしている種類の人間を一番軽蔑している(小沢)
・自分ならアメリカ単独でもイラク攻撃はさせていない
・当選回数以外にも下積みの仕事をしなくては幹部たちを抑えきらない(小沢氏が自民党内での安倍氏への嫉妬について)
・小選挙区制導入の狙い〜政権交代がしやすい、日本人特有の内向きコンセンサス社会を変えたかった
・田中康夫評:他人のためにあんなに一生懸命やる人は他にはいない
と言ったところです。
それ以外のところで主だったところをピックアップすると、
・勝間和代を酷評〜女大前研一
(根本的な構造や体質を変えようとせず、一時しのぎの解決策めいたものを出してごまかす”マッキンゼー病”)
・ビートたけし
(他人はめちゃくちゃにけなすが、自分は批判されたくないたけし菌は橋下にも感染)
・大前研一
(過去の人なのに、まだだまされる人がいる)
・湯浅 誠
(この人がキレたら終わり)
・小泉純一郎と麻生太郎の目糞鼻糞
・東京地検特捜部への手紙(国策捜査批判)
・老醜をさらす某大勲位と大新聞社会長
・内定を取り消すなら、経営者はまず自分のクビを切らなくてはいけない〜わずか半年から1年先を見通せないで経営者と言えるのか?
・GM倒産は日本企業に通じる管理職のイエスマン化
・差別放言の麻生首相はトップに立つべきではないですね
(強制連行された朝鮮人や部落民を死ぬほどこき使って金儲けしてきた人間)
・東国原・橋下知事に”ミスター自治”根本良一(福島県矢祭町前町長)の発言を聞かせたい
・穂積五一「日本人は頭も良くて金儲けもうまいけれども、どういう人生観を持っているかと見ると何もないようだ。宗教心もないから長く付き合うと飽きてきていやになる。ちょうど浅い井戸のように。水は要領よく出ているが、いったん途切れるとあとはない。もう水を汲む気にはならない。」
・宮崎学氏「政治的な判断とかいうことよりも、お巡りさんの目から見た場合に、いいか悪いかみたいなところにいってしまった」
・政権交代は必要だったが、今回改めて思ったのは小選挙区制の弊害だった。波といいうか、空気によって一変する。
・政権交代だけに頭がいって、少数派の声を大事にすることおろそか
>管理人も同感。政治信条で党が分かれている訳でもないし、選挙区事情(地元の民主党の代議士も、以前別の選挙区で自民党の候補に応募して落選した経緯があるし、今自分が衆院議員に地元の小選挙区から立候補するなら自民からの方しか選択肢がないし)
・2009年総選挙の争点〜みっつの「せ」が問われる
1.政権交代
2.世襲の廃止
3.世界もしくは生活
・就職活動を通じて日本の会社が見えてくる
〜佐藤善一氏の佐高氏評
「文章は平易であるが、いわゆる辛口の評論は的確に問題の核心をつき、問題の本質をえぐりだす筆の力に感嘆する〜」
・日本の(大企業の)社長はなぜ自殺しないか
〜ミドルの忍耐につぐ忍耐によって繁栄してきた日本
といったところです。
佐高 信『小沢一郎の功罪 佐高信の政経外科 XII』(毎日新聞社)
民主党政権を影で操る小沢一郎。書き下ろし論考と、小沢との激突対談によって、その功罪を明らかにし、鳩山政権の未来を占う。
小沢が分からないと、民主党政権の未来は見えてこない。
何を警戒すべきか?どこを評価すべきか?その功罪を抉りだす時評集。
第1章 小沢一郎の功罪
第2章 小沢一郎×佐高信
第3章 タレント文化人筆刀両断
第4章 抵抗人名録
第5章 政経外科
第6章 風速計
第7章 筆刀直評日記
<2010.3.1読了>


