2010年01月09日

【書評】工藤健策「野村克也は本当に名将か」+αで年始のスポーツ関係の件

(Ser.4467)
読んだ本の書評エントリーの在庫が積み上がっているので、そちらを優先にUPしているうちに、サッカー関連では天皇杯はガンバが優勝してるし、高校サッカーはもう準決勝まで来ちゃったし、ベルマーレの補強も着々と進んでいるようですね。それらの詳しいことはこちらを見てもらうとして、
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一方、野球関連では1/2の2010プロ野球OBオールスターアスリートカップ セvsパ対抗戦とか、千葉の恥の件とか、MLB側から日米「グローバル・ワールドシリーズ」の開催を提案された一方で知らないうちにNPB野球協約が改悪されていた件とか、アニキの「選手たちだけで優勝できるように、僕も頑張る」発言が首脳陣批判とも取られて虎系ブロガー界話題になっているとか、そのアニキのところにダルビッシュがトレーニング見学&合同トレーニングに来たとかのニュースもきちんと把握はしてますが、それらの詳細についても、こちらをご覧下さい。
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ということで、今回も読んだ本の書評シリーズで。
野村克也は本当に名将か

野村克也は本当に名将か

  • 作者: 工藤健策
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2009/11/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



管理人がこの本を通じてわかったこと。

<その一場>
・著者はノムさんが嫌いなんでしょうね。(仙一は好きなようだけど)

<その二岡>
・野村監督時代の阪神が勝てなかった理由

<その三瀬>
・人を批判するときは、批判される人の手法を使って批判するとインパクト大

その他の点は言いがかり満載乙。
工藤さん、サッチーに訴えられるぞ(爆)
訴えられるだけならまだいいけど(以下r)

全体的な感想はそんな感じ。

以下、気になったところを管理人が福浦しく同意できるものには◎、ある程度同意できるものには○、それ以外のものには・、管理人のコメントは>を付けてピックアップ。
    ↓
○「無視、賞賛、非難」の指導方針がぶれている
→古田には最初から非難ばっかりだったし。まーくんと山崎武司には賞賛ばかりだし
◎戦術は見えてくるが、戦略が見えてこない
○選手の再生方針も、「@方法論A努力の方向性B考え方(野球への取り組み方)のどれかが間違っている」と言うだけで具体策まで見えてこない
○再生した選手を酷使してつぶす
→速球派ではなく、投球のキレで勝負するタイプが多いので古田のリードに合ったのでは?
→再生したまではいいけど、その後の使い方にまで心配りができていない
・年間200イニング以上の登板を2年以上続けると故障するリスクが高くなる
・著者が再生成功例と見るのは、ヤクルト時代では田畑一也、野中徹博、小早川毅彦、広田浩章
>ナベQは監督時代に野村さんの教えが生きた?
・失敗例は、青柳進(盗塁阻止率が著しく低い)
・南海時代に山内新一がヒジを痛めたあとも酷使されたのにつぶれなかったのが、投手酷使傾向となった原因か?
○江夏 豊のリリーフ転向は野村の数少ない成功例
◎成功体験だけをベースに語っている
・スポーツマンらしからぬ劣等感
・目にあまる過去の美化
◎ぼやき続けるのは、選手からの直接反論されるのを避けるため
○自分が第一人者と思っている分野に、自分以上の挑戦者が現れるのを恐れている
→打者としての門田博光、捕手としての古田敦也、人気面での長嶋茂雄
→そういう存在は徹底的にけなす
→他人を悪く言わなくても、長所をほめれば、自分の評価も上がるのに・・・
・星野仙一も表向きは「野村さんのおかげ」と言うが、野村の負の遺産に結構苦しんでいたのだろう。だいたい、野村が後任に星野を推薦したのではなく、久万オーナーが野村辞任の前から星野に接触していた
>ここのあたり(P57-60)を読んで、管理人は著者が星野○野村×と思っているのだろうと推定
・自分が最初にやったといっている先進的な理論やシステムの多くは他に前に始めた人がいる
→例:投手分業制〜1960年代前半に中日の近藤貞雄コーチが、権藤博を先発、リリーフのフル回転で4年でダメになった反省から、板東英二をリリーフ専業に回したことが最初。
>巨人でもV9時代に、8時半の男(宮田征典)がいるしね
・新しい戦術を編み出すのは不得手のようだ
○阪神監督時代にかえって退化したこともある
→前任監督の時代、守備練習で塁に走者を置いた後、全ポジションにコーチをつけ、野手に動きを指導していた。(当時としては先進的)
→野村監督になってからはそれは廃止
・生半可な論語の知識で落合が名球会入りしなかったことを批判
→「和して同ぜず」/ノムさんは「小人は同して和せず」
→名球会内では「ノムさんは文句ばかり言って何もしない」との非難も
・ヤクルト監督時代に、投球分析で打率を上げたのは古田だけ。あとは、ほとんど変わっていないか、池山や秦のように打率が下がった選手もいる
・野村のチーム作りはいつも受け身
→赤星はシドニーオリンピックの日本代表選手として阪神の春季キャンプに参加していたところ「俊足」が目にとまっただけ
→稲葉はカツノリの試合(明大−法大戦)を見に行ったところHR2本打ったのが目にとまっただけ
→藤本はたまたま見に行った大阪ドームの社会人野球の試合でショートの守備がうまいのが目にとまっただけ
→たまたま見に行っただけでいい選手が発掘できるのなら、もっと見に行けばいいのに>皮肉乙
○自分はやらない「例に始まり、例に終わる」
・野村の理論では岩隈、田中がつぶれる(2009年限りで辞めて良かった)
・技術論は言えるが、具体的な指示が出来るコーチがいなければ成果は出ない
阪神であかんかった理由:その1
◎観客不在のスパイ(サイン盗み)合戦
>管理人はここが1960年代から1970年代にかけてセ・パの人気が大きく差がついた要因のひとつであると思う
→その点については、三原を悪者にしている
○ささやき戦術は卑怯ではないのか
古田氏も「これだけは絶対にあかん」とノムさんを批判
・野村が監督になって激増した死球(特に巨人戦)
・岡林、伊藤智仁は野村さんにつぶされた
・石井一久はノムさんの言うことを聞かずに、選手寿命が延びた
・ID野球にも先駆者「尾張メモ」がある
・「野村スコープ」も尾張氏の発案
・試合前の相手に対する研究は綿密だったが、戦況に対する判断、決断が半歩遅れる
>どんでんにも似たようなところが
○阪神の選手が情報に対する必要性に甘かったというより、野村自身が新たにデータ解析をする根気や能力を失っていたのでは?
阪神であかんかった理由:その2
>古田氏も自著で「データは2年で更新」とゆうとるしね
失敗は選手の責任、成功は自分の手柄
・野村監督時代、ヤクルトは阪神だけはずっとカモにしていた
→データの集積が進むにつれてどのチームにも強くならなければいけないと思うんですが>皮肉
阪神であかんかった理由:その3
・「巨人軍論」では巨人を悪く言うだけで具体的な提言がない。
・野村はもともとチームの編成方針にはタッチしないタイプで、応急対策をしただけ。その対応と処置のうまさで評価を得ただけで、ビジョンはない。
◎人気者が大嫌い→特に長嶋茂雄
・野球理論はふた時代前のもの
・いまや育成能力・再生能力は巨人の方が上
・采配自慢は成功例が少ない証拠か
・野村の言うとおりに投げられる投手ばかりなら苦労はしない
・被害者意識が強い
・プロ野球では1/6でリーグ優勝するし、1/12で日本一になる
→その監督が人生論を説いても参考にはならない
>これは言い過ぎ
◎「他人に説教するくらいなら、その前に自分のヨメをなんとかしろ」と当時の阪神の選手はみな思っていただろう
阪神であかんかった理由:その4
・カツノリの明大時代も夫婦そろって関係者に嫌われていた
◎他人をけなして、自分を良く見せる手法はかえって自分の評価を落としていることに気づけよな
・ファンの存在を無視した野球観→「間」のスポーツって、間が長すぎるねん。
確かに、野村監督の試合は時間がかかるし・・・
○野村の周辺にいた選手・コーチは異能集団ばかり
→山本忠男(サイン盗みの名手)
→高畠導宏(相手投手のクセを見抜くことに長けていた名コーチ)
ただし、ヤクルトコーチ時代にはその手法は卒業して、野村の期待にこたえられなかったため袂をわかつことに
>その高畠に指導を受けたことを落合は語りたがらないのなぜ?
→古葉竹職(試合中にベンチ裏に隠れていたのはネット裏からの映像を映すTVモニターを見ていたから)
→島野育夫(相手投手のクセを見抜くことに長けていた名コーチ)
ただし、野村野球は継承していないようだ
→松井優典(一軍コーチ時代は野村に代わってミーティングを取り仕切ったこともある)
 内野手目線で話すので、選手にはわかりやすかったらしい。
 この人が、野村の実態のすべてを明らかにすれば貴重な野球史として残るだろう
◎野村の影にさちよあり、未だに消えぬ南海への怨念
【南海ホークスメモリアルギャラリーに野村のことは一切ない】
○1996年のオールスター:パ監督の仰木のピッチャーイチローに、松井秀喜をひっこめ代打高津
→このときは、「松井に失礼」と言っていたのに、新庄にピッチャーをさせてオープン戦の巨人戦に登板させたのは何?
→仰木への嫉妬じゃない?
・総括すると、野村には「打者、投手の心理をうかがう面白さ」はあるものの、「知的な感動」や「野球の科学的な面白さ」を感じさせる度合いが低く、書かれた文章もみずからの過去の言動を、その時々の主張に合うように脚色している
・戦術面のくりごとが多く、戦略面の話がない
→バッテリーに特化した戦術家
・WBCの監督になれなかったのは、野村の非紳士的行為をNPB関係者はわかっていたから
○TV中継向きの野村解説
→打者と投手の対決を中心にせざるを得ない特性
→最近の解説者は試合も見ないし、取材もあんまりしないし、野球の研究もしていないから深みがない
>E川さん批判?
・後だしじゃんけんみたいな野村さんの物言いはうんざり
◎世界に通用しないローカルルールやアンフェア(ミットを動かして捕球とか併殺防止二塁スライディングとか)はあかん
>最後になって著者はやっとまともなこと言ったかw

本工藤健策野村克也は本当に名将か」(草思社
負け試合のたびに自軍の選手をこきおろし、「野球はアタマでするもの」と称してダラダラ野球を蔓延させ、多くの将来性あふれる投手を酷使して潰してきた野村。その強烈な個性で球界をかき回してきた人物の言動を検証し、あるべき球界・監督像を提示する一冊。

<目次>
第1章 野村再生工場
第2章 野村の性格
第3章 野村の自慢
第4章 野村の限界
第5章 野村の大罪
第6章 ID野球のカラクリ
第7章 野村VS巨人
第8章 野村の名言・迷言
第9章 野村の周辺
第10章 ポスト野村のプロ野球
(2009.12.27読了)

【著者紹介】
工藤健策
 1942年生まれ、横浜出身。明大卒後ラジオ局入社。アナウンサー、ディレクターとして野球、ラグビー、サッカーなどを取材。著書に「江川の四試合」「がんばれ!ニッポンプロ野球」「名将たちはなぜ失敗したか」「Jリーグ崩壊」「小説安土城炎上」「プロ野球をここまでだめにした9人 」「プロ野球誤審の真相」などがある。

それと、全国大会より盛り上がる関東大会東洋大学連覇柏原くんが2年連続MVPということも知ってはいますが、ご承知のように小笠原に行っていたので、柏原くんの走りは生中継で見られず、3日目もゴールのところで船中のTVの画像が大幅に乱れて満足に見れなかったので、詳細はこちらからお願いします
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貴乃花の乱(爆)の件もね。
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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 09:40 | ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕は、弱いチームを強くした監督が、"名将"だと思っているので…野村克也は、名将だと思う。
だから、メジャーの方で、毎年、選ばれる「最優秀監督賞」の選考基準が、"前年度より、今年度…どれだけ、チームを飛躍させたか?"というのは、素直に納得している。
Posted by ピーナッツ at 2010年01月09日 11:40
>ピーナッツさん
>僕は、弱いチームを強くした監督が、"名将"だと思っているので…野村克也は、名将だと思う。
そういうスタンスに立てば、ノムさんが名将であることは間違いないですね。

もっとも、工藤健策と言う人はこういう視点で物を見る人なんですから。
Posted by 管理人 at 2010年01月09日 17:23
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