2009年12月12日

こういう本を待っていた!⇒橘川武郎・奈良堂史「ファンから見たプロ野球の歴史」

【Sports Watch】前例なき野球検定に話題騒然!?」なんて記事がありましたが、今回はその「野球ジャーナリスト検定2009」の参考書籍にもなりそうな本を紹介
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本橘川武郎・奈良堂史「ファンから見たプロ野球の歴史」(日本経済評論社)

<内容紹介>
曲がり角に立つ日本プロ野球。70年余の歴史を緻密に観察し、現在直面する問題の根源に迫る。何よりもファンの立場に立って2人の経営学者が問題解決の道を展望する。

<目次>
はじめに:曲がり角に立つ日本のプロ野球 
T ファンの目線の重要性
1 日本のプロ野球をめぐる四つの危険な兆候 
2 大リーグなんてこわくない? 
3 日本プロ野球史の時期区分 
U 国民的スポーツへの苦闘(一九三六〜五七年)
1 プロ野球誕生と「本業シナジーモデル」 
2 戦争とプロ野球 
3 戦後の再出発 
4 2リーグ分裂と巨人依存 
5 ラジオの時代と「広告宣伝モデル」 
V ONの時代(一九五八〜八〇年)
1 長嶋・王の登場と西鉄・南海の健闘 
2 巨人V9と巨人依存の本格化 
3 乱セと阪急王国 
4 江川事件が象徴したもの 
5 プロ野球人気とテレビの時代 
W 挑戦と危機の交錯(一九八一〜二〇〇八年)
1 広島・西武・ヤクルト・オリックス・ダイエー・日本ハムの勝因 
2 「総合力の時代」の到来──根本陸夫の挑戦
3 「巨人依存モデル」の継続 
4 阪神の機会損失と投資抑制が生んだプロ野球の危機 
5 マルチメディア化とプロ野球 
X 日本プロ野球再生への道
1 「地域密着モデル」を深化させる 
2 ペナントレースを白熱化させる 
3 プロ野球を文化にする 
4 球場の収入を球団の収入にする 
おわりに:日本のプロ野球のこれまで、これから
参照資料 
日本プロ野球関連年表 
あとがき 
2009.11.13読了

まず、全体的な所感は、学者の書いた本は難しい(爆)

学者だけに、分析はしっかりしてるんですけどね。

要は、
日本のプロ野球はまだまだ捨てたもんじゃないし、JリーグやMLBと競合したとしても、共存は可能だと言いたいんでしょうね。

阪神ファンと巨人ファンの共著になってますが、本書の内容はこの2球団に偏っている訳でもないし。


以下、例によって気づいたところをピックアップ。
(注:>以下は管理人の突っ込みです)

・発足時のプロ野球人気<大学野球
・初の日本シリーズ:1950年11月22日 松竹対毎日@神宮(23,018人)
・1957年の観客動員数
1位 巨人 138万人、2位 中日 111万人、3位 阪神 93万人、4位 国鉄 91万人、5位 広島 74.6万人、6位 西鉄 67.5万人、最下位 近鉄 15万人
〜2リーグ分裂直後の野球人気は巨人人気依存
>阪神って中日より人気なかったんや!

・巨人V9の頃の阪神〜万年2位か3位、中日が2位のときは巨人と大差がつくが、阪神が2位のときは結構競っている
・V9の頃の巨人のメンバーはほとんど固定
>管理人も「8柴田、7高田、3王、5長嶋、9末次、6黒江、2森、4土井、1堀内」とよどみなく言える。その一方で、阪神の同じ頃のメンバーは4番キャッチャー田淵とピッチャー村山・江夏・上田次朗以外思いだせん(笑)
・主力選手はドラフト前(1964年以前に入団)から獲得していた選手
・当時はFA制度はなかったが、他球団で活躍したベテラン選手の獲得に積極的だった(国鉄から金田など)
>今もね

・ONの時代〜セ・リーグ人気を巨人が牽引する時代

・V9後のセ・リーグ戦国時代〜江川事件が象徴したプロ野球人気を1球団に依存させることの危うさ

・広島の黄金時代(1970年代後半〜1980年代前半)
〜巧みなスカウティングと育成能力
〜地元経済の好調さと地域密着

・西武の勝因(1980年代半ばから1990年代半ば)
〜管理野球と確率の野球

・1960年代〜1970年代前半のあこがれの背番号1と3=王、長嶋(巨人)
・1980年代半ばから1990年代中盤のあこがれの背番号1と3=秋山、清原(西武)
>管理人はこれらの中間世代

・ヤクルトの勝因(1990年代)
〜ID野球(データの活用、考える野球)

・オリックスの勝因(1990年代半ば)
〜地域密着(阪神・淡路大震災からの復興の流れによるものゆえ、あっという間に転落)

・ダイエーの勝因(1990年代後半〜2000年代前半)
〜親会社の積極的な投資(長期的なチームの育成)、ドーム球場に適応した野球、フロントと現場の統合からの総合力による勝利

・日ハムの勝因(2000年代後半)
〜地域密着の推進・フロント改革(現場経験者のGM採用)、参入当初(1974年)は本業の広告宣伝波及効果狙い→巨人とのフランチャイズ競合による弊害→北海道移転後のファンサービスの充実化

・根本陸夫〜フロントと現場が一体となった球団経営の先鞭者、実現者。根本(フロント)が獲得・補強、広岡・森(現場)が育成・勝利の役割分担の明確化
・根本氏の強化プロセス(西武、ダイエー共通)
@まず監督に就任して、チームの現状・問題点を把握
Aチームの技術的・精神的支柱となる選手の補強
Bチームにプラスの変化が出始めたら、後任の監督を推薦
C優秀な後任監督に現場を任せ、自分はフロント業務に専任
D最終的には、オーナーがGMに権限移譲
〜監督→球団本部→フロントのボトムアップ型の経営改革
=現代の高度化された「総合力」の野球には、グラウンド上の指揮能力だけでなく、チーム組織全体のマネジメント能力が必要不可欠

・V9後の巨人〜王国復活を予感させる出来事がありながら、今一歩及ばない
@他球団の主体的努力によって戦力均衡化が進み、巨人の力量が相対的に低下した
A「FA」「逆指名」などの巨人優位と思われる制度も、外からの獲得に依存する体質が内部の組織能力を低下させた
〜バブル期以降、支出面では頭打ちになったものの、支出面で経費拡大
>2007年以降は王国復活と評価していい?

・(一昔前の巨人の強化方針)TV局からの中継収入へ大きく依存するゆえ、TV映えするホームランバッターばかり獲得
>自分もそう思ってます

・ヤンキースは強すぎるといわれても、好意的批判。MLB全体に貢献
巨人は一球団至上主義(非好意的批判)
〜2009.1.25朝青龍の優勝についてG帽子の少年にインタビュー
「ちょっといやだけど必要」
>自分もそう思ってます

・阪神の機会損失と投資抑制〜プロ野球の危機につながっていた
〜V9の頃の万年2位の旨みを享受?
〜1985年日本一(管理野球へのアンチテーゼ)後の歴史的撤退=転落の美学
〜1992年幻のサヨナラホームラン
〜2003年日本一になりそこね
〜チームは低迷したが、収益は改善した皮肉
〜優勝争いを演じて観客動員を集めるが、優勝を果たせず惜敗するのが経営効率上もっともいい(巨人V9時代に具現)
〜ファンの人気の上にあぐらをかいていたフロント>今もや(怒)
〜星野監督以降は投資も積極化

・プロ野球活性化への道
@「地域密着モデル」を深化させる
Aペナントレースを白熱化させる〜最終的には真のチーム世界一決定戦を、収入再配分には否定的(メディア系球団が多い)
Bプロ野球を文化にする(国際大会での活躍と地域に根ざした活動〜独立リーグとの連携)
C球場の収入を球団の収入にする
>林さん、ハマスタの公社ぼったくり構造をなんとかできんのか(嘆)

<ご参考>
評者 中村宗悦 大東文化大学経済学部教授〜歴史・経営分析を通じ危機説に示唆に富む反論



ファンから観た プロ野球の歴史

ファンから観た プロ野球の歴史

  • 作者: 橘川武郎
  • 出版社/メーカー: 日本経済評論社
  • 発売日: 2009/09/05
  • メディア: 単行本



<著者紹介>
橘川武郎(きっかわ・たけお)【阪神ファン】
一橋大学大学院商学研究科教授。専門は経営史 。1951年和歌山県生まれ。東京大学社会科学研究所教授などを経る。

奈良堂史(なら・たかし)【巨人ファン】
横浜市立大学大学院経営科学専攻博士後期課程、横浜商科大学非常勤講師。専門は経営学・スポーツビジネス論。1979年神奈川県生まれ。

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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 06:16 | ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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