


・島尻 譲「ベースボールアゲイン〜国際大会の歴史とオリンピック競技復活への道 」(長崎出版)
第1章 日本野球界の組織変遷と野球日本代表
第2章 オリンピック史最大の惨敗(北京オリンピック)
第3章 オリンピック公開競技時代(ロサンゼルスオリンピック・ソウルオリンピック)
第4章 オリンピック正式競技時代(バルセロナオリンピック・アトランタオリンピック)
第5章 国際大会転換期(シドニーオリンピック)
第6章 オールプロ編成のオリンピック(アテネオリンピック)
第7章 今後の野球日本代表
ということで、再びブログ投票を貼っておきます。
管理人的には、
ソフトボール>野球ですね。
まずは、女子ソフトボールの五輪競技復活の優先度が高くて、野球はあったらいいなといったところ。
曲がりなりにも野球にはWBCという世界大会があるし、その地位もサッカーのワールドカップにはまだまだ及ばないものの、少なくともアジア(日本・韓国)、キューバでは盛り上がってますものね。あとはアメリカが本気になるだけ?
一方、ソフトボールはオリンピック競技でのアピールが必要かなと。
もっとも、野球、ソフトボール、ゴルフ、空手、ローラースケート、7人制ラグビー、スカッシュから2つ選べと言われれば、ソフトボールと野球を選択しますけどね・・・

ベースボールアゲイン―国際大会の歴史とオリンピック競技復活への道
- 作者: 島尻 譲
- 出版社/メーカー: 長崎出版
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
「ベースボールアゲイン〜国際大会の歴史とオリンピック競技復活への道 」(長崎出版)
紹介
金メダルを獲って『君が代』を聴いた時。
心の底から興奮した、何とも言えない喜びがこみ上げてきた。
(熊野輝光/ロサンゼルスオリンピック出場)
下を向いている暇なんかない。
極限に追い込まれた状況で結果を残すことが求められるんだから。
(西正文/ソウル、バルセロナオリンピック出場)
言い訳は一切許されない。
腕が飛ぼうが、足がもげようが勝ちたい一心で戦ってきた場所。
(杉浦正則/バルセロナ、アトランタ、シドニーオリンピック出場)
日の丸のユニフォームを着て、負けても良いと思う人間なんている訳ない。
最後は勝ちたい、勝とうという気持ちでチームが一つになる。
(大田垣耕造/シドニーオリンピック野球日本代表監督
御存知の通り、オリンピックに関しては2012年のロンドン大会では、野球(及びソフトボール)はグローバルワイドでないという背景から、正式競技から外されることが既に決定している。野球が盛んでないロンドンで、オリンピック開催のためだけに野球場を建設するメリットはあまりないということもあるだろう。
これに対し、オリンピックにおける野球競技の復活をめざす日本野球界は《2016Baseball Again》というキャンペーンを展開している。プロ野球は勿論のこと、社会人野球や大学野球の打者のヘルメットなどにも、オリンピック競技復活を願ったステッカーが貼られているので、目にしたことのあるファンもおいでだと思う。
この《2016Baseball Again》というキャンペーンを、一過性のムーブメントで終わらせないためには、選手をはじめあらゆる野球界の関係者や野球ファン、また、何よりも次代を担う若者たちが、世界という大舞台で戦うことに夢を抱き、その意義を理解することが重要だ。
ただ、現状では、残念ながら表面的なムーブメントの域を脱していないといわざるを得ない部分がある。
オリンピックに関しては2000年のシドニーからプロとアマチュアの混成チームに、2004年アテネからは完全にオールプロ編成になった。《2016Baseball Again》のキャンペーンにおいて、日本野球界のあらゆる組織は一丸となっているが、アマチュアの立場からそれを謳うのは複雑なものであることは確かだ。
社会人野球を統括する日本野球連盟は《率先実行!マナー・スピードNo1 野球競技オリンピック復活を目指します》を2009年度のスローガンとして掲げた。しかし、オリンピックがアマチュアのものからプロのものとなってしまったことで現場からは、
「野球がオリンピックで復活して欲しいと強く願っている。だけど、アマチュアの立場で具体的にできることは何もない、そもそもどういうスタンスでアピールして良いのか分からない。実際に少年野球教室などで話題は挙がっても、みんなでオリンピックを目指そうとは軽々しく言えない」
という声も数多く挙がっているのが現実だ。
そう、悲しいかな《2016 Baseball Again》には強い希望は込められているけれども、その着地点は非常に曖昧なのだ。
野球がオリンピック競技に復活するかどうかは、2009年の6月に国際オリンピック委員会の理事会で審議され、10月の国際オリンピック委員会の総会で可決されることになっている。残された時間はあまりない。
最終目標というものは各々の価値観や置かれた環境で変わってくる。そもそも目標に最終というものがあるかどうかは分からない。また、目標を世界で戦うというところに置くのが最上なものであると断言することもできない。
だが、間違いないのは世界で戦うということは生易しいものではなく、想像をはるかに超える厳しさがあるからこそ結果は二の次で、そこで得られる感動はとてつもなく大きい。それは戦う者にとっても、応援する者にとっても同じことだ。
だからこそ《2016 Baseball Again》なのではないだろうか。
本書が、これまでのオリンピックを中心とした国際大会と、野球日本代表の歩みを整理することで《2016Baseball Again》の方向性を少しでも明確にするきっかけになればと願ってやまない。2016年のオリンピックで野球が復活しなかったとしても、その想いは変わらない。
著者プロフィール
島尻 譲(シマジリユズル)
1973年生まれ。東京都出身。スポーツライター兼カメラマン。
幼少時、父母の趣味であったことからテニスラケットを握るが、小学2年生でバットに持ち替えてからは野球一筋。立教中では副将、立教高時代は内野手・捕手として4番も任される。関西学院大に進学して、第42回全日本大学野球選手権に出場。2回戦・青森大戦では代打で空振り三振に終わり、最後の打者となった。卒業後はサラリーマンを経て、野球評論家・金村義明のマネージャーに。この頃から執筆活動をはじめ、2002年に独立。大学生時代に慣れ親しんだ関西を拠点として活動。数多くの専門誌やネット媒体などに寄稿。スポーツバラエティ番組の構成などにも携わる。《シマジョー》の愛称で特にアマチュア野球ファンの支持を受けており、2007年からは全日本大学野球選手権(CS/J SPORTS)の解説者を務めるなど、活躍の場を広げている。
<他の方の感想文紹介>
・Back Softball + Baseball Again(青葉和の落書き帳)


